(一社)日本調理科学会 創立50周年記念出版事業
「伝え継ぐ 日本の家庭料理」全16冊完結

謝辞

本書の出版にご協力を賜りましたすべてのみなさまに、心からの御礼を申し上げます。

全16冊の執筆においては、約1,400品の料理ページを担当くださいました著作委員、ならびに協力者のみなさま、巻末に掲載しましたその他の協力者のみなさまに感謝申し上げます。「調理科学の目2」を寄稿くださいました学会員16名の先生方にも感謝しております。また、本書執筆の礎となる特別研究の聞き書き調査にご協力くださった方々にも、感謝の気持ちをお伝えしたいと存じます。

そして、本書の文化財としての価値を認め本事業を当初より積極的に推進くださいました一般社団法人農山漁村文化協会(農文協)専務理事 豊島至氏、2013年7月、出版企画をご提案する際に窓口となってくださった農文協普及局(当時)吉井弘和氏に厚くお礼申し上げます。

本書がこのように魅力的に仕上がりましたのは、製作に携わってくださった各分野のプロフェッショナルのお力の賜物です。全16冊を共につくりあげるのに、素晴らしい写真の数々を撮影くださったカメラマン五十嵐公氏、奥山淳志氏、高木あつ子氏、戸倉江里氏、長野陽一氏、毎回の目次の背景と「調理科学の目」のカットと愛蔵版の素敵な装丁画を描いてくださっている武藤良子氏、誌面の隅々まで行きとどいたデザインで仕上げてくださったアートディレクション・デザインの山本みどり氏、度重なる推敲と修正にもめげず最終の誌面をつくりあげてくださった農文協プロダクションの浅山和子氏、瀧下侑里氏に深く感謝いたします。

そしてなにより、会議や撮影のために全国に赴き、Web編集室の原稿確認から入稿、度々の校正、校了に至るまで、全国の著作委員の先生方と密に連絡を取り合い誌面を作り上げてくださった編集ご担当の農文協編集局 遠藤隆士氏、芳賀敦子氏、中田めぐみ氏、伊藤照手氏に、言い尽くせない感謝の気持ちをお伝えしたいと存じます。

みなさま、本当にありがとうございました。

記念出版委員会 編集後記2021年9月6日

2017年に迎える日本調理科学会創立50周年の記念事業の一環として「伝え継ぐ日本の家庭料理」全16冊を刊行することを2016年度大会でお伝えした折には、霧中の船出のようでしたが、翌2017年11月の創刊号から2021年8月の最終号に至るまで滞りなく刊行できたことは誠に感無量です。著作委員の先生方はじめ発刊までの膨大な作業に関わったすべての方々に心より感謝いたします。企画・編集は日本調理科学会、出版は農文協とタグを組んだことで、年4冊の別冊うかたまシリーズから書籍化による愛蔵版へ、さらに今後はデータベース化も加わっての情報発信となり、次世代、次々世代の人々と本書を通してつながっていき、食文化の継承に貢献できることを願っています。

香西 みどり

2013年に家庭料理の調査を開始し報告書を出しただけでも大仕事、それを農文協の協力を得て出版する。当時の長野宏子副会長の熱い思いから始まった。そして47都道府県の著作委員が動いた。なんとエネルギッシュなことだっただろうか。無形の料理を調理科学会として再現可能なレシピに表すことで100年先にも伝えることだった。あらためて16冊を見ると、調理科学の目1を担当した大越ひろ氏、読み方案内を担当した長野宏子、福留奈美、東根裕子の各氏の努力に感謝したい。調査から出版に向けてリードしてくれた中澤弥子氏にも感謝したい。私の出身地は山形県、母の出身地は愛知県、いろいろな地域の料理を見てわが家の食卓は何に影響されているのだろうかと考えるのも楽しい。いや見るだけでなく作り味わい伝え継ぎたいですね。料理は無形です。

石井 克枝

『伝え継ぐ 日本の家庭料理』全16冊の出版が完了しました。本当にご担当、ご協力くださいました先生方、関係者の皆様には、心より厚くお礼申し上げます。今でも、5年前の、県別から現在の料理別に変更せざるを得なかったときのことははっきりと覚えています。先生方にとっては晴天の霹靂だったと思いますが、それにもかかわらず早々に全力でご対応いただき…現在に至ります。感謝、の一言しかありません。この調査を始めた平成24年頃には想像だにしなかった成果ですね。本学会だけでなく日本にとって貴重な財産になると思っています。重ねて厚くお礼申し上げます。

今井 悦子

2021年8月、「伝え継ぐ 日本の家庭料理」全16巻の最終巻が発行されました。7年前、当時の副会長、長野宏子先生による「発信力をもった研究を!」との熱いメッセージのもと、多数の先生方が仕事の合間をぬって全国各地で根気強く行われた調査と農文協の方々による粘り強いサポートがこうして結実しましたこと、感謝と感激で一杯です。それに加えて、各地で取材に応え、お話を聞かせてくださったり、料理を作ってくださった協力者の方々に心からお礼を申し上げます。写真に残る皆様の「手」が、私たち一人一人が食文化の担い手であることを教えてくださっていると感じます。改めて、関係者の皆様、本当にありがとうございました。

真部 真里子

16冊が刊行され、ほっとしています。2012年に企画を立ち上げてから、約10年がたちました。学会会員による研究活動の成果が、16冊の本として完成できたことを感謝しています。当初は県別にまとめることを考えていましたが、料理別に編集した今回の企画は、日本における食文化の地域比較ができるという点でもよかったと思っております。また、16冊の巻末に掲載してある「読み方案内」と「調理科学の目1及び2」は日本調理科学会の企画であることを示す内容であり、今後の会員の研究に少しでもお役に立つことができるものと思っております。最後に編集にご協力いただいた農文協の皆様にも感謝申し上げます。

大越 ひろ

「伝え継ぐ 日本の家庭料理」16冊発刊、感無量です。

平成26年度聞き書き報告書(おわりに)からの抜粋です。『日本調理科学会「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理研究委員会」の聞き書き調査の結果は、農山漁村文化協会出版に本に繋げる事が具体的に決まっております。各都道府県家庭料理研究委員会の皆様には、引き続き各都道府県家庭料理著作委員会に属して本の執筆を頂きますようお願い致します。これからも多くの困難な問題に遭遇すると思いますが、一人の力でできないことを調理科学会会員はじめ全国津々浦々の皆様のご協力を得ながら成し遂げ、目標達成までの長い道のりを乗り切ることができるものと信じております。』

大越ひろ会長から「特別研究のテーマ」提案の依頼を受け、本出版を視野に入れた企画が2012年に承認され、特別研究「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」に参加された調理科学会の会員約361名(2015年5月末現在)、全国の聞き書き調査地318地区、調査に協力した話者約1,300名にのぼりました。農文協との三者会議、撮影なども含め、多くの個人・機関の協力を得て出来上がりました。感謝で一杯です。

16冊発刊まで約10年、「伝え継ぐ 日本の家庭料理」は、地域の食文化継承に貢献する大きな賜物になると思っております。

長野 宏子

16冊の出版完了を迎えた今、長かったようであっという間だったような不思議な気持ちに包まれています。早朝の新幹線で東京での会議に出席したこと、新大阪止まりの最終新幹線で帰ったこと、お茶の水女子大学への道、赤坂見附あたりの風景も懐かしい思い出です。三者会議でいろいろな地域へ行かせていただき、その土地で受け継がれている素材や料理をじかに体験することができて幸せな時間でした。日本調理科学会の多くの先生方と一緒に研究ができたことは、私にとってはとても有り難く貴重な経験でした。関わってくださったみなさま、本当にありがとうございました。

東根 裕子

2014年8月、大会が開かれた奈良女子大学の大教室には、100名を超える先生方が立ち見で廊下にあふれるほどに集まって、特別研究の成果を本にまとめて出版するという夢のような構想に聞き入っていました。あれから7年、現実になりました。『日本の食生活全集』に続く昭和のリアルな食卓の記録を16冊に詰め込んで、未来に残せたこと、その活動に参加できた幸運に感謝するばかりです。18歳で上京し、ふるさと高知の食のことは知っているようで知らないことだらけ。細い山道を、川沿いの一本道を、車でひた走り地域の方々にたくさんのお話をうかがいました。加えて、地域伝統食の専門家や著作委員のベテランの先生方に教えていただいたことは、食文化研究をしていく上で財産となっています。ページをめくると料理がきらきらと輝いて見えます。私にとって宝ものの16冊です。

福留 奈美